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消費税 簡易課税制度
質問:簡易課税制度って何?
簡易課税制度という言葉は、消費税のお話の中では最もよく出てくる言葉です。事業が成長して売上高が1,000万円を超えてくると消費税の申告書を提出しなければなりません。そして、そこでまず考えるのが簡易課税をしようかしまいかという問題です。
消費税は原則的には預かった消費税から支払った消費税を引いて納付税額を求めます。例えば売上が2,000万円で諸々の経費が1,200万円だったとすると
預かった消費税=2,000万円×5%=100万円・・・①
支払った消費税=1,200万円×5%= 60万円・・・②
納付する消費税=①-②=40万円
このようになりますね。計算の考え方は、単純です。預かった消費税から支払った消費税を引いた差額を収めるだけです。つまり、消費税で得をすることもなければ損をすることもないんですね。ただ単に会社を通過していくだけの税金なんですね。
では上記の数字を使って簡易課税の計算式を見てみます。
預かった消費税=2,000万円×5%=100万円・・・①
製造業だと預かった消費税の70%が支払い分だとみなす。
100万円×70%=70万円・・・②
納付する消費税=①-②=30万円<p>
となります。簡易課税の場合には、実際に支払った消費税額でなく一定の割合をかけて強引に求めてしまうんですね。
この割合は5種類あって、全ての業種をこの5つの枠にあてはめて一定の割合を使います。
簡易課税は売上で預かった消費税に割合をかけて納付税額を強引に求めるんですね。つまり実際にいくら消費税を支払ったかは関係ないのです。
こうすることで計算が一般の人でも出来るように簡便化されているのです。消費税の計算には、原則課税と簡易課税の二種類があるということを覚えておいてくださいね。
質問:簡易課税は誰でも採用していいの?
残念ながら簡易課税は誰でも採用していいわけではありません。本来の計算方法は、原則計算なわけで、特別に簡単な計算方法ということで簡易課税が設けられたのです。例えば、タバコ屋のおばあちゃんに、「消費税の申告書を原則計算で作って提出して」、といっても無理ですよね。おばあちゃんは、売上が少ないのに税理士にお金まで払って消費税申告書を作ってもらわなければなりません。それはあまりにも可哀そうな話なので、簡易課税で簡単に自分で計算してくださいね、となったのです。
経理部があるよな会社や売上が大きい会社は複雑な計算が出来るだろうということで簡易課税を採用することが許されてはおりません。その基準が5,000万円です。
2年前の売上高が5,000万円を超えるようなら、簡易課税で消費税を計算することは出来ません。
ここで注意していただきたいのは3点あります。以下の3点をチェックして全てを満たすようであれば、めでたく簡易課税を採用することが出来ます。
①そもそも課税事業者ですか?
課税事業者とは、基準期間の課税売上高が1,000万円を超えた事業者のことです。基準期間は一般的には2年前となります。
②基準期間の課税売上高は5,000万円以下ですか?
課税売上高とは、消費税を含む売上のことです。土地を貸したりマンションを貸したりした売上は、課税売上ではありません。
③消費税簡易課税選択届出書を提出していますか?
簡易課税を採用するためには、税務署に届出書を提出しなければなりません。採用したい年度の前年度までに届出なければなりません。
いかかでしょうか。簡易課税で消費税を計算するためには多くの要件を満たさなければなりません。通常は、売上高が5,000万円以下の事業者であれば、殆どの場合簡易課税を採用することが出来きます。
質問:簡易課税って本当に得なの?
簡易課税制度はみんなが採用しているから絶対に得・・・とは限りません。簡易課税制度をすることによって返って計算が複雑になることもあります。
簡易課税の場合には売上を種類ごとに分けてデータ入力しなければなりません。例えば、学習塾とケーキとクリーニングの3っつを営んでいる会社があったとします。会計ソフトに入力するたびに以下のように分けて入力しなければなりません。
①売上学習塾 という勘定科目
②売上ケーキ という勘定科目
③売上クリーニング という勘定科目
どうでしょうか、大変そうですね。通帳に入金されてくる金額を単純に売上と入力するだけでは駄目なのです。何の入金が何の売上かを一つ一つチェックしてデータ入力しなければならないのです。この作業は取引量が増えるほど、予想以上に労力のいる作業となってきます。
また以下のようなケースもあります。
売上高:3,000万円 消費税込みの経費合計:2,500万円
原則計算で計算した場合
預かった消費税=3,000万円×5%=150万円・・・①
支払った消費税=2,500万円×5%=125万円・・・②
納付する消費税額=①-②=25万円
簡易課税で計算した場合
第5種事業とすると割合は、50%になります。
納付する消費税額=3,000万円×5%×50%=75万円
いかがでしょか。原則課税なら25万円の納付で済むところが、簡易課税を採用すると75万円も納付しなければならないのです。簡易課税を採用する場合には、事前にシュミレーションをして本当に簡易課税が得なのかを慎重に検討する必要があります。

