消費税 事業区分判定
まずは、クイズです。さて、次の仕事は、消費税法的には第何種になるでしょうか?(答えは、最下段にあります)
第一門 ウナギ屋では、店内飲食のサービスもしていますが、お持ち帰りサービスも行っております。この場合、ウナギ弁当持ち帰り分の売上は、製造業か飲食業かどちらになりますか?
第二問 富士山の上流で水をとってボトル詰めしました。そのボトルを工場から出荷して酒屋に販売しました。さて、これは卸売業か製造業かどちらになるでしょうか?
第三問 大工さんがみえます。この大工さんは材料を支給されて自分の労働を提供しています。ただし、釘やネジなどの小さな部品は、自分で購入しています。さて、この大工さんは製造業の第3種か飲食業にちかい第4種かどちらになるでしょうか?
第四問 作曲家が自分で曲を作ってヒットしました。CDがどんどん売れました。この場合、曲が売れたとき入る印税収入はサービス業かそれとも第4種かどちらでしょう?
第五問 当社Bは、Aという会社からビル建設の依頼をうけ、これをCという会社にそのまま流して建築依頼をしました。いわゆる丸投げで手数料だけをもらう行為です。この場合、当社Bは製造業かサービス業かどちらに当てはまりますか?
簡易課税では、事業区分の判定が最も重要なものになります。この判定が間違っていると、全ての計算が正しく行われないからです。
そして、この判定は少しの違いで変化しますので、最新の注意をもって行わなければなりません。誰しもが通るやっかいな部分ですので、わかりやすくご説明いたします。
それでは、下記の表をご覧ください。
事業区分 |
内容 |
| 第1種事業 | 他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで他の事業者に対して販売する事業 |
| 第2種事業 | 他の者から購入した商品をその性質及び形状を変更しないで販売する事業で、第1種事業以外のもの(製造小売業を除きます) |
| 第3種事業 | 農業・林業・漁業・鉱業・建設業・製造業・電気業・ガス業・熱供給業・水道業 |
| 第4種事業 | 第1種事業・第2種事業・第3種事業及び第5種事業以外の事業。日本標準産業分類上の飲食サービス業・金融業・保険業 |
| 第5種事業 | 不動産業・運輸通信業・サービス業 |
消費税法上の事業分類は、ざっと上記のように区分されております。しかし、これだとちょっと分かりづらいですよね。
そこで、もうすこし噛み砕いて分かり易い表現で書いてみました。
第1種事業とは
第1種事業を一言でいうと、「 卸売業 」 ということになります。例えば、ミカンをしいれてミカンを販売した場合が卸売業です。この場合、ミカンに加工等を加えないでそのままの形でミカンを売ることが条件となります。しかも、販売先は、一般消費者でなく、業者です。
ある商品を形を変えずに加工処理もしないで、そのまま業者に販売したら第1種に区分されます。
第2種事業とは
第2種事業を一言でいうと、「 小売業 」 ということになります。卸売業と小売業の違いは何かというと、それは販売先が業者か消費者かということです。業者に販売していれば卸売業ですし、消費者に販売していれば小売業ということになります。
この場合、加工等をしないという条件はもちろん卸売業同様に小売業にもあてはまります。加工等をしないで、そのままの形で消費者に販売すると第2種に分類されます。
第3種事業とは
第3種事業とは、「 加工等の処理をする業種 」 が当てはまります。この加工というのは、とても幅が広いです。形を変形させる場合も加工ですし、熱を加える場合も加工と考えます。建設業や製造業は、もちろん加工業ですが、農業や漁業も製造業に入ります。
スーパーの中に入っているお惣菜屋さんなどでも、熱加工が加われば第3種事業となるのです。しかし、いくら熱を使うといっても定食屋や喫茶店の場合には、スーパーの中に入っている事業者とは考えませんので、飲食業の第4種となります。
第4種事業とは
飲食業・金融業・保険業などが第4種事業に当てはまります。また車の修理などで、熱を使わないで加工処理もしない場合には、第3種でなくこの第4種となります。
例えば、車のバンパーを取り換えるだけ・・・というような場合には熱も加工もない取り付け処理だけですので、第4種事業となるのです。
ピザの宅配などは一見飲食業のように思えますが、消費税法的には第3種の製造業となります。これは、熱を使いますし食事をするスペースがありませんので製造業と考えるのです。
第5種事業とは
第5種は、一言でいうと 「 物でなく役務を提供する 」 場合に当てはまります。役務とは、人間の労力を使って提供するサービスです。
例えば、不動産業や通信業や税理士業などです。どれも物を売ったりするのでなく、人間のサービスをうるものです。原価のあまりかからない業種です。
その他、娯楽業・教育・福祉・医療・なども第5種となります。
第一門の答え 製造業の第3種となります。理由は、飲食スペースを使わないということと、熱加工の処理があったという点です。
第二問の答え 水の採取は、農業などの自然を相手にする業種と似ています。農業が第3種のように水の採取も第3種つまり製造業となります。水をボトリングする行為自体が水を加工していると考えます。
第三問の答え 材料の支給を受ける大工さんは、自分の労働を提供するのみなので飲食業と同じ仲間の第4種となります。しかし、ここで問題になるのは釘などの補助材料を自分で購入しているので、製造業と考えないかが論点となります。補助材料を自分で購入して仕事をしていてもその程度では製造業とはならないんですね。
第四問の答え 特許権の収入と同じ扱いになります。第4種となります。
第五問の答え 建設業の場合契約を仲介した仲介手数料は、サービス業の第5種です。しかし、今回のようにビル建築の依頼を丸投げした場合には、例えB社自身が工事をしていなくても製造したと考え第3種となります。
いやー、事業区分って本当に複雑ですね。世の中の常識的感覚で分類出来ないところが、消費税の難しさです。簡易課税の事業区分は、くれぐれも慎重に行ってください。

